ロンドンの北寄りに広がる緑地、ハムステッド・ヒースは、雰囲気も良く、格好のロケ地。
『ノッティングヒルの恋人』にも登場した、写真のケンウッド・ハウスあたりは、北側の道路から入ってすぐで、ほんのはじっこ。ハウス前の池を右に見ながら、そのまま遊歩道をいくと『裏切りのサーカス』でゲイリー・オールドマンが泳いだ水泳用池なども見えてきます。その広大さを活かし、全編、ハムステッド・ヒースで撮影したコメディが『Scenes of a Sexual Nature』。
ハムステッド・ヒースで憩う様々なカップルの物語が綴られます。今観ると、なかなかバラエティに富んだ豪華キャスト。ユアン・マクレガーがゲイカップルの1人として登場したり、5年後に『裏切りのサーカス』でM16エージェントとして再共演することになるトム・ハーディとマーク・ストロングもいます。ハーディは盛りのついた犬みたいになってるお馬鹿な若者役で笑わせ、ストロングの方はすでに秘密エージェントのよう。
オムニバス風ですが、それぞれがほかのお話でも、脇役として、ちょっと登場したり。『ダウントン・アビー』ですっかり有名になったヒュー・ボネヴィルが主人公の話は、駄目男ぶりがお茶目。敷物広げてピクニックの初デートらしい中年カップル、はるか向こうに姿が見えたストロングに、女性がチラリと目をやる。それを目ざとく見つけ「どうせ、女はみんなあんなのが好きなんだ!」とプンスカ。もうコンプレックス丸出し。
だって、ビシッとしたスーツ姿にサングラスですよ。そりゃ、見ますって。みんなリラックスのハムステッド・ヒースで、そんな姿の人、まず、いません。ストロングがボネヴィルのお話に係わるのはそこだけ。ストロングはストロングで、もっと辛口な男女のお話の主人公という具合で、様々楽しめます。
Time Outロンドンのハムステッド・ヒース・ページ
http://www.timeout.com/london/things-to-do/explore-hampstead-heath
Scenes of a Sexual Nature公式サイトhttp://www.tinpanfilms.com/scenes.htm