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The Wonder

November 1, 2022 - Film of the month
The Wonder

11月4日公開 看護師はファスティング・ガールを救えるか。

セバスティアン・レリオ監督に、原作、脚本がエマ・ドナヒューだ。

同じくドナヒュー原作、脚本のルームがそうだったように、この映画も全くのフィクションではない。ビクトリア期、ファスティング・ガールと呼ばれた、信仰により食物を口にせずに生きられるとする少女たちに基づいている。

アイルランドで、そんな少女を担当することになった看護師リブ(フローレンス・ピュー)が主人公だ。レリオ監督の女性主人公の例にもれず、リブも生々しく存在感のあるキャラクターになっている。

リブが担当するアナ(キーラ・ロード・キャシディ)は、最後に食事したのは4カ月前という。だが、皮膚にも張りがあり、健康だ。そんなことが有り得るのか。

科学的見地から証明しようとするリブは、次第にアナを死の淵に追いやることになってしまう。そもそも、なぜ、アナは食事することをやめたのか、なぜ、奇跡の少女にならなくてはいけなかったのか。

リブとアナの息詰まる時間はもちろん、多くを語ることなく心配を超えた陰りを漂わせるアナの母(エレイン・キャシディ)に、人を食ったような記者(トム・バーク)も良い。ちなみに、母と娘を演じるエレインとキーラは実際の親子だ。

アナを知っていき、また、その家族の暗い秘密を知っていったリブ、そこからアナを救うことができるのか。静かに進んでいった物語は、終盤に向けダイナミックな転換を迎えていく。

4日から一部劇場公開、16日からNetflix配信