4月5日公開予定 ベネチアで銀獅子賞、ロンドン映画祭で作品賞を獲得した濱口竜介監督作。

悪は存在しない？このタイトルの持つ意味をつかみきれず、まだ考えている。

自然豊かな土地に、リゾート施設を作ろうとする会社から、計画を説明する社員がやってくる。だが、その計画では、施設からの排水が、そこより低い場所で使われる水に混じりこむ危険がある。地元住民が善、リゾート開発が悪の構図と思いきや…

予想もしなかった展開に唖然とするうちに幕。環境問題を扱いつつ、描いているのは、その流れとは別の、人間の奥底だ。

意外な結末だが、思い返すと、そこにいたる予兆はあった。ほんの少し違和感のある行動を、そこまで重要とは思わず、むしろ善意的に解釈していた。ラストから、違う意味をもって思い起こされる場面の数々を、また観て確認したら、タイトルの意図もつかめるだろうか。エニグマな深さ、濱口竜介監督おそるべし。

公式サイトhttps://www.modernfilms.com/evildoesnotexist

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