9月2日公開 兄弟が母を探すロードムービー。
ピース・アンド・フレンドシップ・トリーティーズという言葉が出てくる。イギリスが侵略時に原住民と結んだ契約だという。侵略しといて、ピースもフレンドシップもあったものではない。
舞台となるアメリカ、イーストコーストの田舎町あたりも、かつてそれが交わされた地区のようだ。 その地で、父親からDVを受けている兄弟は、母を探す旅に出る。
原住民の血を引く母と白人の父との関係にも、民族の歴史がうかがえる。旅の途中で出会った青年(ジョシュァ・オジェック)も浅黒い肌を持つ。
緑豊かな美しいロードムービーで、やんちゃな弟(アヴェリー・ウィンターズ=アンソニー)と、リバー・フェニックスを思わせる気が強そうなのに繊細な兄(フィリップ・ルイスキー)が、旅を通して成長していくカミング・オブ・エイジ・ドラマとしても良作だ。
青年に友情を超えたものを感じる兄のセクシュアリティの発見を含めた恋愛ドラマでもある。
ハンナム・ブレッテン監督の長編デビュー作。