公式サイト
http://www.theothersideofhope.com
The Other Side of Hope
5月26日公開
フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督のベルリン国際映画祭監督賞受賞作は難民問題がっつり、しかも笑えてハートウォーミング。
仕事も家庭も捨てたヘルシンキの中年男性と、シリアから逃れてきた青年の物語が並行して進む。シリア青年の離れ離れになった妹探しというストーリーの太い柱と、いい加減なようでどうにかなってしまう中年男周辺のコメディーがお互いを損なうことなくかみ合っていく。
中年男が経営することになるレストランのやる気のない従業員たち、シリア青年が施設で会う難民仲間など、端役までそれぞれ味のある良キャラクターたちだ。
中年男の妻のほぼ台詞もない数シーンが、夫婦の歩みをたっぷり物語るあたり、本当に上手い。最小のカットで最大の効果というシーンがいくらでも見つけられるのが、さすが鬼才/巨匠だ。