公式サイト
http://www.floridaproject.movie
The Florida Project
11月10日公開
フロリダ、青い空の下の貧困。
iPhoneで撮影した『タンジェリン』で大注目を浴びたショーン・ベイカー監督が、またしても素人俳優を使ったライブ感あふれる映画を撮った。
フロリダのディズニーワールド近くのモーテル、と言っても薄紫に塗られた団地みたいな代物に、母(ブリア・ヴィナイト)と住む6歳のムー二ー(ブルックリン・プリンス)が主人公。
カメラはずっとムーニーを追う。モーテル敷地内から近所の原っぱ、お店とどこでも遊び場にしてしまう、モーテルのちびっ子仲間たち。
その楽しい延長に、タトゥーで体を飾った若い母との暮らしもある。ピザ屋の裏口でもらったピザを食事にしたり、母のインチキ商売に同行することも含まれる暮らしだ。 そういうこともムー二ーには楽しい生活の一部らしいのが、余計に哀れだ。
天才子役と呼ばれるであろうブルックリンはじめナチュラルな子役たちに、もともとインスタグラムのスターで演技初挑戦ブリアの不良母もハマり、実際のモーテル住人も出演していて、みんな生々しい。
そんな中で、管理人ボビー役ウィレム・デフォーが浮いてないのが逆に凄い。本物の人達に混じってさえ、いい感じのくたびれ具合でムーニーにやりこめられる気のいいボビーになっている。
気はいいけど、ムー二ー親子を救うだけの力などない。最後に登場する夢の国ディズニーワールドが悲しい。