公式サイトhttp://www.bfi.org.uk/whats-on/bfi-film-releases/pasolini
Pasolini 9月11日公開
惨殺されたピエル・パオロ・パゾリーニ監督の、最後の1日がメインに描かれる。独自の思想、生き方を貫き、そのために死んだようでもある。
キリスト教圏においてはバチあたりとも言えるような映画の数々を撮り、詩人、小説家、思想家でもあったパゾリーニ監督の作風、生き方をなぞりつつ、惨く、あっけない最後までを見せる。
実在の人物についての映画なので、登場人物にそれぞれモデルがいて、見比べるのも面白い。ウィレム・デフォーは、パゾリーニにかなりよく似せている。リッカルド・スカルマチョが、パゾリーニと関係があったというニネット・ダボリを演じているが、こちらは本物よりハンサム。そのダボリ本人がエドゥアルド・デ・フィリッポ役で、若き日の自分を演じるスカルマチョとのシーンもあるというパラレル・ワールド的展開。
激しい反発にもめげず、作品を発表し、考えも述べたパゾリーニだが、アベル・フェラーラ監督は、それをプロパガンダではなく、静かなトーンで追い、最後の哀れさをより際立たせている。