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Nomadland

March 29, 2021 - Film of the month
Nomadland

(C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved.

4月30日公開

Disney+で4月30日より配信後、映画館再開に合わせ5月17日劇場公開予定。

9月のベネチア国際映画祭で金獅子賞受賞後、10月のロンドン映画祭、日本でも東京国際映画祭と、各国の映画祭で上映されていったのが、一般公開はロックダウンによる映画館閉鎖で延び延びに。

結局、動画配信サービスでまず公開、追って、ロックダウン段階的解除で映画館が再開となるのと同時にようやく劇場公開。アカデミー賞結果発表後の公開となるわけだ。

この映画は、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』が基になっている。

家も職も夫も失った主人公ファーン(フランシス・マクドーマンド)が、否応無く押し出される車上生活は、退職後の趣味でのキャンピングカー生活とは根本的に異うものだ。登場してくる実際の車上生活者たちは、年輪が深く刻み込まれた顔をしている。

ファーンの車自体もバンに寝床を設えたようなもの、トイレは公共のを使うようだが、いざという時には蓋つきの大型缶で用を足す。設備の整った今時のキャンピングカーとは土台からして違うのだ。その車で、アルバイトを探しながら、走る。もう若くはないファーンには、きつい生活だ。

だが、何度かチャンスがあったにもかかわらず、ファーンはその生活から抜けようとはしない。昔の家から持ち出した愛着のある物に囲まれた車で暮らすファーンには、たとえ楽であっても新しい生活は嘘と感じられるのか、もう新生活に馴染んでいくことが出来なくなっているのか。

しっかりと生活感を漂わせたマクドーマンドは言うまでもなく、半ドキュメンタリーのように撮ったクロエ・ジャオ監督、ファーンの相手役を務めるデヴィッド・ストラザーンとも、素晴らしい。

公式サイトhttps://www.searchlightpictures.com/nomadland/