公式サイト: http://www.divinemovie.com
I am Divine 7月18日公開
ディヴァインが、カルチャー・シーンに大きな足跡を残したことに異論はないです。1988年に42歳で亡くなって以降、ディヴァインを越えるドラァグ・クイーンは出ていないとも思います。とはいえ、特異すぎて、全く関係ない人のような気がしていました。その印象が、このドキュメンタリーで変わりました。
デヴィッド・ホックニーが肖像画を描き、パーティを開けばデヴィッド・ボウイやミック・ジャガーが顔を出し、アンディ・ウォーホールとの対面も果たした全盛期より、デブのいじめられっ子ハリス・グレン・ミルステッドだった少年期を知ったのが大きいです。
小さい頃からオーバーウェイトで、しかも女っぽく、いじめの標的だったグレンが、その大きな体と女っぽさをいかして作りあげたキャラクターがディヴァインだったと知ると、見え方も違ってきます。ようやく見つけた居場所で、思う存分輝いた姿だったのですね。
その強烈なドラァグ・クイーン姿から一転、普通の主婦の姿で演じた『ヘアー・スプレー』が成功し、次は男性の姿で出る役も決まっていた矢先の心臓発作での死。すごく残念です。晩年は欝気味だったというディヴァインの、また別のフェイズが始まったかもしれないのに。