公式サイト
http://www.sonyclassics.com/afantasticwoman/
A Fantastic Woman
3月2日公開
昨年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)獲得後、数々の映画賞受賞を経て、現在はアカデミー賞外国語映画賞ノミネート中。
セバスティアン・レリオ監督と言えば、2013年に同じベルリンでやはり銀熊賞(女優賞)を獲得した『グロリアの青春』が記憶に新しい。
当時52歳のパウリナ・ガルシアが演じた主人公グロリアは58歳の離婚した女性。子育ても終え、青春よ再びと恋を探すも…というお話が熟年女性を力づけるかのように描かれていた。
そして、今回の主人公もまた、よくある妙齢の美女などではない。いや、美女は美女だがトランスジェンダーの美女なのだ。演じているダニエラ・ヴェガもトランスジェンダーだ。
ダニエラが演じる主人公マリーナと親子ほども年の離れた恋人のシーンが短くも美しい。冒頭で亡くなってしまう恋人だが、亡くなった途端に幅を利かせるのは、それまで一緒に過ごしていたマリーナではなく、子らや元妻、親族だ。マリーナはむしろ邪魔者扱いとなってしまう。
それでも、思いを貫こうとするマリーナがあっぱれ。ダニエラは、またベルリンでレリオ監督作が女優賞獲得かと思わせたほどの名演だが、ベルリンでは逃すも他で複数の女優賞にノミネートされ、受賞もしている。
これからもっと出てくるであろう美しさと実力を兼ね備えたトランスジェンダー女優の先駆けともなりそうだ。