公式サイトhttps://britdoc.org/films/display/three-and-a-half-minutes/
3 1/2 Minutes, Ten Bullets 10月2日公開
アメリカで起こったジョーダン・デイヴィス事件を撮って、今年のサンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞したドキュメンタリー。
事件は、2012年11月23日、17歳の黒人少年ジョーダン・デイヴィスが乗った車のラップ・ミュージックの音量について給油所でいさかいとなり、45歳の白人男性マイケル・ダンが発砲するに至ったもの。ダンは、デイヴィスに向け、3分半に10発の銃弾を撃った。
アメリカの人種差別に銃社会の問題も重なった悲しい事件だが、後半に救いがある。自分に近い者を裏切ることになる板ばさみの状態に陥りながら、事実を述べた証言者がいたことで、裁判の行方が決定していくくだりは、裁判劇としても手に汗握る。
イギリスから撮りに行ったマーク・シルバー監督は、裁判の経過をたどりながら、終盤で当時のCCTVの映像で初めて何が起こったかを生々しく明かすことで、事件の衝撃を追体験させる。センチメンタルに流れず、事実を重ねていくことが、事件の痛みをより深く伝える。