公式サイトhttp://www.20000daysonearth.com
20,000 Days on Earth 9月19日公開
ドキュメンタリーは真実と思われがちですが、しょせんは撮った人にとっての真実。撮られた人が、その撮る人の真実に納得していなかったら、そりゃ嫌だろうなあ…てなことを考えたのは、ニック・ケイブが、かつて撮られたドキュメンタリーを嫌っていると聞いたから。
そのケイブを了承させて作られたこのドキュメンタリーには、趣向が凝らされています。ある意味、架空世界のケイブを撮って、より本物のケイブを引き出しています。
ドキュメンタリーと書きましたが、正確にはドラマ・ドキュメンタリーとでもいうべきもの。設定があるんです。カウンセリングに行ったり、友人宅を訪ねたりする、ケイブの地球での20,000日目という設定。設定は作リ物でも、そこで交わされる会話は本物です。
中でも、ケイブが運転する車の後部座席に、幽霊みたいに突然知人が現れるのが秀逸。一方的に脱退されて「まだ始末がついていない」という元バンド・メンバー、ブリクサ・バーゲルトとの間に漂う緊迫感、自殺したマイケル・ハッチェンスをかつての恋人として懐かしく語るカイリー・ミノーグとの親密さまで感じられる、とてもリアルな会話です。
監督のイアン・フォーサイスとジェーン・ポーランドのコンビは、ミクスド-メディア・アーティスト。今回の映画も、アートしてます。ドラマ仕立ての中にも、ちゃんとケイブの家庭生活も混ぜてあり、子どもたちと映画鑑賞しながらピザを食べる場面もあります。でも、それさえ、すっきりしたデザインのソファで、同じ顔をした男の子がケイブを挟んで左右にいるというアートな絵になってます。さすがカリスマ・ミュージシャン、子どもまで絵になる双子とは。