1月3日公開予定 悪名高いアメリカの矯正施設に送り込まれた黒人少年の運命
ピュリッツァー賞受賞のコルソン・ホワイトヘッドによる小説ニッケル・ボーイズを原作としたラメル・ロス監督映画。
物語中でニッケル校とされている学校には、実在のモデルがある。生徒に対するレイプから殺人まであった矯正施設フロリダ少年学校だ。1900年に開校し、2011年に閉校した。
映画は、1960年代に無実の罪でニッケル校に送り込まれたアフリカ系アメリカ人エルウッドの一人称で物語られる。フラッシュバックのように、クリスマスツリーを飾りながら微笑む女性のイメージなど、次々と流れる出だしから、エルウッドの記憶に残る様々な場面が続く。ストーリーを追っていくのではなく、喚起力の強いイメージが散りばめられていく。ストーリー展開はわかりづらいが、アーティスティックで印象深い映像だ。
学校とは名ばかり、黒人少年は奴隷のように働かされ、虐待される場なのに、助け出すことさえままならない。パズルのピースを組み立てるようにして浮かび上がる学校の、あまりの惨さに、見終えた後、実話の方を調べたくなる。
公式サイトhttps://www.mgm.com/movies/nickel-boys
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